2013年12月18日水曜日

CKDと心筋梗塞の予後の変遷

Decline in 20-year mortality after myocardial infarction in patients with chronic kidney disease:
evolution from the prethrombolysis to the percutaneous coronary intervention era

Kidney International (2013) 84, 353–358

24年間にCKD患者におけるMIへの加療法に変遷
MIで搬送されたCKDのレベル毎のmortalityのtrend
MI後のCKDのstageに応じた短期長期予後

12087人(腎機能正常群に加えて、CKD2.3.4-5それぞれ46%.21%.4%含まれる)において、24年間にCKD患者におけるMI(myocardiac infarction)への加療法の変遷、MIで搬送されたCKD各stage毎のmortalityのtrend、MI後のCKDのstageに応じた短期長期予後を調べた前向きコホート。

腎機能が悪化するにつれ、高齢、女性、CABG or MIの既往、HT、DM、貧血が多く、逆に喫煙、HLが少なく、MのI家族歴も少なかった。


全てのCKD staageにおいて再還流療法が増えた。
followの期間中、CKD stage4-5では腎機能正常群と比較し、有意に再灌流療法の施行率が低かった。またEBM therapy(アスピリン、β blocker、スタチン、RAS系阻害薬)使用も優位に低かった。逆にevidenceの乏しい、CCB、ニトロ、利尿剤は多く投与されていた。

全体で30日死亡率は10%から4%へ減少、CKD群では11%から6%へ減少した。5年死亡率は24%から195へ減少、CKD群では26%から24%へ減少した。

30日mortalityは各因子補正後、riskは60%減少した(有意差あり)。このrisk減少は腎機能間で有意差が見られなかった。
30日生存者は5年生存率のmortalityが10%低下した、このrisk減少は腎機能間で有意差が見られなかった。

各因子補正後、CKD各stageと正常群と比較した死亡率は、CKD2.3.4-5は30日mortalityはsorezore
2.1倍、4.3倍、8.6倍高く、20年mortalityはそれぞれ1.0倍、1.5倍、3.4倍高かった。

死亡率は減ったものの、腎機能は強い予後規定因子であることが認められた。

・CKD3-4、透析直前の患者は、透析患者よりも再還流療法を受けにくいという報告がある。
・CIDへの懸念が示唆される
・PCIや他の心保護療法の使用と比例して腎機能が低下するという報告
・多くのMIへのRCTが腎機能低下患者を除外していたことによる、治療の医学的不十分さ
・腎機能障害は貧血や出血のriskも高い
・腎機能低下患者は遅れて、もしくは非典型的な症状をしばしば呈する
上記全ての因子がCKD群にEBM加療を行うことを減らし、極端に言うと悪い予後へとつながった可能性。

腎機能別の予後の改善に有意差がなかったことから、腎機能に関わらず、EBMに準じたMI加療でCKD3-5群においてさらなる予後を期待できると思われる。

0 件のコメント:

コメントを投稿