2013年11月18日月曜日

保存期CKDの血清P値と死亡率・ESKDの関係

Kidney International (2013) 84, 989–997

No independent association of serum phosphorus with risk for death or progression to end-stage renal disease in a large screen for chronic kidney disease

KEEP(kidney early evaluation program)data、10672人の比較的早期が多いCKD患者前向きコホートで、平均追跡期間は2.3年。血清PmortalityESRDriskの検討を血清P3.3<3.3-3.73,7-4.14.1<4群に分け行った。

まず、最もPが高い群は若年、女性、ヒスパニック系の黒人ではなく、健康保険に加入していない人が多かった。しかしCKDに罹患していることは自分でわかっている人たち。Cr高値・eGFRも低く、Alb尿も多かった。喫煙者・脂質異常症、CVDに既に罹患している人が多い。BMIは低い、血糖低い、Hbも低かった。
また補正してもP高い群の方がCVDの既往が多かった。

結果はPと死亡率の関係は補正しても、また連続変数にしても認められなかった。

未補正ではP高値群がESRDに陥りやすいという結果になった(統計学的有意)。しかし補正後は有意差見られず、連続変数でも同様の結果であった。全死or腎不全という複合outcomeについても同様で有意差見られなかった。

筆者の意見として低riskのCKD患者においては、血清Pはmortality・腎死に関係ない、もしくはmarkerとして機能しない可能性がある。

問題点として主なものは
 ・最初の1度のみP測定(しかしこれは他のstudyでもそう)
 ・PCVDの既往の関係は交絡因子
 ・2.1年から2.3年は短い(他のstudy3つよりは長い、2つよりは短い)
FGF23や尿中Pは計測できていない
・加療についての内容なし



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