Guideline–Practice Gap in the Management of Predialysis
Chronic Kidney Disease Mineral Bone Disorder in Japan
KDOQIとKDIGOのガイドラインに照らし合わせ、日本のCKD-MBDの加療内容を見る。日本のCKD患者のVitDの値、VitD製剤使用の少ないことに起因する因子調べる。
日本において行われた多施設研究、CKD stage3-5の日本人773人が対象、横断研究。
・KDOQIとKDIGOでのガイドラインに照らし合わせた際に使用されるVitD製剤の割合と比較し、実際の日本での使用状況はCKD 4で8%、CKD 5で15%と非常に少ない。炭酸カルシウムも少ない。
・尿蛋白、女性、DM、high PTHがlow VitD状態のrisk。
・日本ではPTHのコントロールもよくない(CKD stageが進むにつれさらに)。これはlowVitD状態が多い、またVitD製剤を処方していないことに起因する。しかし低たんぱく食のため、CKD stage3,5の20%は低Pであり、CaとPのコントロールはいい。
○筆者の意見
・VitDが低い、またVitD製剤が使用されていない理由について
・VitD添加食品が日本にはない(欧米にはある)
・日本人CKD患者はアメリカ人CKD患者より尿蛋白が多い
・native VitD製剤使えないため
・ポドサイトの障害は糸球体とボーマン嚢の癒着を生じ、尿細管障害へ。生じた尿蛋白は酸化ストレスで近位尿細管障害へ。近位尿細管は1-αhydroxylaseの産生部位であり、その障害により同酵素の産生低下が生じる。酸化ストレス自体もそれに影響。尿細管障害、高FGF23血症はVitD活性障害、そしてその産物も低下する。
・VitDはUpの低下作用、また腎保護作用がある可能性も指摘されており、PTHの低下作用のためだけではなく、他の保護作用も期待して使うべき。
8月から塩酸セベラマーも保存期CKDに使用できるようになり、CKD-MBDの治療の幅が広くなりました。VitD製剤には尿蛋白低下作用、また腎保護作用も示唆されており、積極的に使用するべきだと現時点では考えられます。
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