2014年1月23日木曜日

医師と患者の接する時間が予後に与える影響

Associations of Frequency and Duration of Patient-Doctor Contact in Hemodialysis Facilities with Mortality

J Am Soc Nephrol 24:1493-1502,2013

各DOPPS phaseの24498人の透析患者において、patient doctor contact(PDC)の頻度・長さが前死亡率、入院率に及ぼす影響を調べた前向きコホート。中央値22年。
国、施設によってPDCはばらつきがあった。

高い頻度のPDCの患者群では、黒人が少ない、カテーテルよりAVFの頻度が高い、仕事がある、結婚している、合併症少ないといった傾向があった。

frequent PDC(週1以上)と比較して、全死亡率はintermediate PDC(週1)は有意差なし、low PDC(週1以下)はHR 1.11(有意差あり)であった。
long duration PDC(1ヶ月60分以上)と比較し、intermediate  duration(30-60分)は全死亡率のHR 1.15(有意差あり)、short duration(30分以下)はHRは1.11(有意差あり)であった。
PDCのduration5分短くなるごとに全死亡率のHR 1.05(有意差あり)。
長いdurationの施設と比較し、短いdurationの施設では全死亡率が HR 1.13(有意差あり)であった。

PDCが頻回で長い施設と比較して、入院率はintermediateの施設、lowの施設それぞれHR 1.14、1.22(有意差あり)であった。5分durationが短くなるとHR 1.06(有意差あり)であった。
日本での結果が相違・不明瞭なのは、eventの少なさ、施設間の差が少ないからと考えられる。

2014年1月20日月曜日

若年時の肥満が、将来の末期腎不全に及ぼす影響

Body Mass Index in 1.2 Million Adolescents and Risk for End-Stage Renal Disease

Arch Intern Med. 2012;172(21):1644-1650.

17歳のユダヤ人1194704人に対して、17歳時の肥満と末期腎不全のriskを調べたretrospective cohort。25年の追跡。
過体重は85ー94%タイル(BMI:男24.9-28.19、女:25.2-29.59)、肥満は95%タイル以上(BMI:男28.2-40.0、女:29.6-40.0)と定義。



過体重は全てのESRDで、3.0倍のrisk高い、肥満は6.89倍risk高かった。これは
男女ともに同じ傾向であった。
DMによるESRDでは、過体重が5.96倍、肥満が19.37倍有意にriskが高かった。
non-DMによるESRDでは過体重が2.17倍、肥満が3.41倍有意にrisk高かった。


PKDによるESKDも過体重以上はrisk 2.57倍有意にrisk高値であった。



nonDMによるESKDは90%タイル以上(BMI26台)から有意にriskの上昇が見られた。
DMによるESKDは正常高値である75%タイル以上(BMI 23.4)から有意にriskの上昇見られた。(年齢、性、人種、血圧、時期で補正)

2014年1月2日木曜日

CKD患者における血圧変動性のrisk

Long-term visit-to-visit office blood pressure variability increases the risk of adverse cardiovascular outcomes in patients with chronic Kidney disease

Kidney International advance online publication, 24 April 2013;doi:10.1038/ki,2013.132


1618人のCKD患者(stage2-5、平均年齢64歳、30%が2型DM)において、各来院時の血圧変動性とall cause mortality・CVD eventを調べた前向きcohort。中央値 37ヵ月。
94%は降圧薬加療受けていた。
各来院時の血圧変動性は平均・最大BP、来院回数、年、血糖、eGFR、Albと有意に関係していた。


Framinghamのrisk因子で補正後も、収縮期血圧の標準偏差・変動係数が大きいほど有意に複合end point(全死・CVD riskの)のHR上昇した。
上記の血圧変動性に関係する因子で補正しても同様の結果であった。



βblockerと交感神経遮断薬投与によって、血圧変動性と全死・CVD riskの関係性は消失した
βblocerの交感神経過剰状態にたいする効果と思われる。